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Showing posts from 2015

情熱スクールnet!

今年情熱スクールnet!で書かせていただいた記事のまとめ。後半はどうしても卒業制作でいっぱいいっぱいで、なかなか更新できなかったけれど……。初めて個人的なものではなく、多くの人に見てもらえる場をいただけて、ドキドキして嬉しかったです。「あぁ、熱く書きすぎた…!」なんて思う記事も多くて(むしろほとんどそうで)読み返すのは恥ずかしいです。でもやっぱり、私は自分の思っていることを表現するのが好きです。 「はじめまして!」 http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=4406 「日々の優しいスパイス」 http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=4506 「カワイイのルーツを辿って」 http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=4545 「Advanced style」 http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=4601 「絵を描くように文を書く」 http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=4624 「SNSと私」 http://www.textile-tree.com/schoolnet/?p=4630

はなればなれに

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21歳になって半年が過ぎた。半年、6ヶ月。わたしがイギリスにいた日々も同じ期間だった。早いのか遅いのか分からない。この半年わたしはずっと、日本にいた。 「9月の心地良い晴れの日は 懐かしい 優しい 切ない あたたかい思いで胸が詰まる 日本を離れて ひとりで歩いた日々 その地がどこであろうと、この光はわたしを包んでくれる この眩しさに思い出が溢れる 苦しい」 昨年の9月、わたしの日記帳。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 クラスメート達より不器用な私は、卒業制作も人一倍時間がかかる。平日は朝から晩まで学校にいて、土日は必要最低限のためにアルバイトに行って、前ほど絵筆も握れなくて、それで、あっという間に21歳は半分過ぎてしまった。ハッとした。どんな事だって一つ一つ頑張るって当たり前のことを、忙しいだけで忘れそうになっちゃう。 将来の事すごくすごく悩む日も、急に何もかも開けちゃったかのように 前の私に戻れる日もあるの。全部放り投げて旅に出ようと思う日もある。(行かないけど) 毎日毎日心はくるくると動いて、どれが正解なのかもまだわからない。同じ忙しさの中でも進んでいくみんながキラキラ眩しくて、それがまだできない自分が情けなくってたまらなくなる日もある。でも、世界はきっと、私が思うよりもっと単純で嬉しいことなんだ。なんて思う日もある。 本当はね、一回、もう全然違う世界に行こうかとも思ったんだ。絵も文も関係ない、全然違う世界。 そしたら、まさにそこへ行こうとしていたその日に、トムズボックスの土井さんにお逢いする事ができたの。偶然持ってた絵をパッとお見せしたら、こんな中途半端な一学生の絵に対しても、ちゃんと意見をくださった。その時頭にガツンと来て、心臓がバクバクして、夜の満員電車の中なのに描きたくて描きたくておかしくなりそうで、閉店間際の世界堂に飛び込んで、新しいスケッチブックを胸に抱えて、何もかも忘れて子どもみたいにわんわん泣きながら帰った。全然褒められた訳でもないのに、むしろ自分の未熟さを叩きつけられたのに、すごくすごく心に響いた。大人の人達の世界を少しずつ知って怖くなって逃げ出そうとしていた私の胸に、土井さんの言葉は強烈に突き刺さったの。 この感覚は、宇野亜喜良先生や、平岡淳子さん、熊井明子さん、そして田村セツコ先生とお話ししていて感じたものと同じだった。私も、彼らの世界

ヒロインになった日

ファンタジーの世界へ  私にとって、日本の外の世界はファンタジーでした。不思議の国のアリス、長くつ下のピッピ、アルプスの少女ハイジ、赤毛のアン……数えきれないほどの物語を読んで育った私は、いつも海外での生活に想いを馳せ、いつか日本を出るその時をずっと夢見ていました。憧れの世界へ行ったなら、私も物語のヒロインのようになれるかもしれない。ううん、きっとそうなれる! 例えば『大きな森の小さな家』の、ローラのような私。朝、ツリーハウスに届くお日さまの光で目を覚まして、小川でそっと顔を洗って、小鳥たちに挨拶。野イチゴを摘んで、裸足でダンスを踊って、星を数えながら眠るの……。でも、『あしながおじさん』のジュディのような私もいいなぁ。全寮制の大学に入って、毎日たくさん勉強するの。お休みの日は仲間たちと街へアイスクリームを食べに行ったり、クリスマスにはパーティに誘ってもらったり……。 どれもこれも、別に日本にいたってできることじゃないか!と思われる方も多いと思いますが、私にとってはまるっきり違う、夢の世界の話でした。そんな私が英語を学ぶことに喜びを感じ、早く日本を出たい、世界を見たいと願ったのは、ごく自然な流れだったのです。 英語に特化した高校を卒業した私は、大学二年生になったら必ず留学しようと決めていました。しかし夢見がちな性格にも関わらず、「初めての海外で留学」は、現実的に考えてどうなのだろうか?と思い、留学前の大学一年生の夏休みに英語圏へ旅に出ることを決意したのです。十八歳、生まれて初めて、憧れの海外へ。しかもその目的は「今の自分の英語力がどの程度なのか知りたい」というなかなかシビアなものだったので、もちろん一人旅でした。両親を説得し、アルバイトで貯めたお金で航空券を買い、ホテルを予約し、VISAを取り、……今思い返すと、その時の自分のアグレッシブさには驚かされます。「いよいよ、海外へ行くのだ」という喜びや、「十八歳にもなったのに一度も日本から出たことがない」という焦り、そして「今まで学んだ英語でどの程度生活できるのだろう」という挑戦的な思いなどが、私の心をモヤモヤと取り巻いていました。しかし不安は全くなく、近づいてくるその出発の日を思って武者震いするような心構えでした。行先はアメリカ、ボストンです。 英語圏ならば国や場所はどこでも構わないと思っていた私に、父の友人がボストン

誓い

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Bloggerの存在すら、忘れていた私 以前の投稿を読み返すのも恥ずかしい程だけど、書いてみる。 21歳になりました。 エイプリルフールの誕生日は、なかなか気に入ってるの。ちょっとおかしな春の始まりの日。新たなスタートにワクワクするし、大好きなデビー・レイノルズと同じ誕生日だから。 5日ほどお父さんとお母さんの新しい家に遊びに行ってた。猫3匹とゴロゴロして、犬と弟と風船やマリオカートで遊んで、家族みんなで歌いながらドライブして毎晩眠らずにトランプして、本当にただただ楽しい日々。特別な事なんて何もいらなくって、みんなでいる それだけで最高なの。大好きなの。 だけど、今の私が日々を生きる世界はここではない。今、私は東京で生きる時だ。19の私がイギリスで生きたいと思ったように、今の私は東京で生きたいと思っている。 今日東京に帰って来た。田村セツコ先生から「これから宇野亜喜良先生とお茶、来れる?」とメールが来ていた。数日間今までの世界を離れていたから、なんだか改めてビックリしてしまった。私は、とんでもない世界に足を踏み入れてしまったのだ。 日本に戻って、20になって、なぜか絵と文を始めた。始めたってのは間違いだ、絵と文は、まだ友だちもいないころからずーっと私と共にいた。ただ、人に見せることを始めたの。能天気に、何も考えずに。ただただ大好きなセツコ先生にお逢いしたくて、描き/書きためた作品をお見せした。先生はこんな私に対しても「これはいいわね」「この色合わせは変」などコメントして見てくださる。先生から技術的に教わる訳でなくても、なぜか絵は少しずつ少しずつ良い方に変化していく。 昨年末頃から、イラストレーターとして長く活躍される方々やグラフィックデザイナーの方に 偶然お逢いして作品を見ていただけることが何度かあった。技術も経験もないただの学生である私に対しても、(セツコ先生の紹介ということもあり) 皆様あたたかな目で見て褒めてくださった。そして20歳が終わる3月、ある雑誌編集の方にまた偶然作品を見ていただけた。その方はとても具体的なアドバイスをくださって、その時初めてセツコ先生からも 厳しめのアドバイスをいただいた。  そこでようやく、私は気がついたの。もう遊びじゃないんだ、ここからは違う世界。いつの間にか私は、イラストの世界に足を踏み入れてしまった。 それは先の見えない、手探